2015年10月05日

満身創痍の卍さん(壱)

【木村拓哉が実写版「無限の住人」で主演 約10年ぶりに時代劇映画】

これは適任(適役)である!と、わたしが思う理由を以下に"原作準拠"で述べたいと思う(・ω・)なお無論全巻通読している、念のため。

主人公の万次という男、年齢的には現在のキムタクよりだいぶ下(のはず)だが、これがちょうどいい。「若いのにオッサン」を「オッサンなのに若い」が演じる、このバランスが今ちょうどいいのだ。この「オッサン」とは、畏敬をこめた愛称としてのオッサンである、というのは。

無論個人差があるが…今のオッサンは若い、色んな意味で若い。昭和の昔なら20代でも"そんな人"もザラに居たが、今の20〜30代では大方「青臭い」になってしまう。いわゆる渋味とか大人の色気というのを備えた青年を表すには、不惑を迎えたくらいの男で丁度いいのだ、今は。

ただし、見た目がいかにもタルんでくたびれたオッサン風ではマズい、そこはやっぱりシュッとしてないと。若い容姿を保ちながら年相応の深み、数多の経験を感じさせる好い意味での摩耗感を湛えてる事が肝要…というわけで、「今まさに適任」と思うわけだ。言うなれば、つまり、ここで必要なのは「イケメン」では無く「男前」なのだ。いま、彼以上の"其れ"が他に在るか?いや無い(倒置法)

てかそもそも万次さんイケメンタイプじゃないからね(笑)そういう意味では木村拓哉は綺麗過ぎるかもしれない…が、俺は「大丈夫」と確信する。

なぜ確信するか?それは安堂ロイドを観たからだ。あそこで彼は今や懐かしい「若いけど頼もしい」ヒーロー像を見せてくれたから。まあ実際昭和のヒーローとか今見ると「(見た目)オッサンだなあ」って思うけど(笑)でもそれってのが頼もしさ=大人の余裕だったんだと思うんだよね。

ちょっと逸れるけど…近年のヒーロー像っていうと多くは「等身大」で「共感」て感じだけどね、例えば若年向けラノベアニメなんかも学園もの中心つまり同年代(中高生)が主役のばっかだったりするでしょ?まあ、それってのも今の若年が大人を「頼りない」と感じてることの証左なのかもしれないけれど…ならば今こそ、頼れるオッサン=カッコいい大人の復活ですよ!(力説)

かく言う俺も、そんな大人の男に憧れた世代だしね。

話を戻そう。

とは言ったものの万次という男、決してヒーロー然とはしていない、いやもうむしろまったく英雄的じゃ無い、卑怯な手も使うしサブキャラにボコボコにされたりもするしね解体ショーレベルで(笑)

だがそれがいい、それを木村拓哉が演るってのがまたいい。

とりあえず、原作準拠で言うと…安堂ロイドで『血みどろ満身創痍のヒーロー(木村拓哉)』に萌えた女性諸氏は期待していいですよ←

ぶっちゃけ、一応人間なのにアンドロイド以上にバラバラレベルにもなります(原作準拠ならね)

さて、「ヒーロー然としていない」と言ったけど、それはあくまで「いわゆる正義の味方っぽくない」って意味であって、ちゃんと要件は充たしてるんだよね万次さん。それは、異端者であるということ、血ヘド吐いて足掻くこと、そして、少女を守ること←これである、男の浪漫である(迫真)

三池監督って原作ものに関してはかなり忠実にやってくれる人だからな、それこそ映像化したらギャグになるようなところまでしっかり再現してくれたりするから(笑)もちろん殺陣黄金蟲は見てみたい(技名叫びアリで)

ひとまずまとめに入ろう。近年、実写化ってだけで脊髄反射的にダメ出しする風潮が根付いてるけど、それはもう偏見。それはそれ、これはこれ。時代劇で言えば、あの名作ドラマ『子連れ狼』だってもとは漫画(劇画)だけど、いま子連れ狼と言えばアレ(ドラマ)くらいのもんでしょ?そういうもん。

つまり要は「出来次第」だし、やっぱり「それはそれ、これはこれ」なんだよ。もちろん原作愛/リスペクトあってこそだけどね。

また、木村拓哉が務めるという意義。

「またジャニーズか」の印象から連なる様にして「またキムタクか」的な反応もある様だけど、実際には彼はそんなポンポンと映画に出てないし、まして漫画の実写化なんてヤマトくらいのもんでね(・ω・)もはや"思い込み"やでソレ。

で。それこそヤマトなんかは"国民的"って次元で誰もが知ってるけど、「むげにん」はそうじゃない、ある程度マニアの域のもので、敢えて言うけど"人を選ぶ"作品。そういうものに"国民的"スターが主演するってこれむしろ興奮するわけですよ俺は、そう(・ω・)安堂ロイドの時にも似た、野心的な。

個人的には"蛇足"ながら、付け加えるなら…そうした中、「はたしてこれ以上エポックメイキングなキャスティングがあるか?いや無い」である…てか蛇足にして唯一断言出来ることだなこれ(笑)

なお、蛇足の蛇足。

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「キムタクの演じる万次というキャラクターの衣装がナチスをイメージさせると一部で物議を醸しているんです(事情通)」

とかいうバカな記事が現れるに1ジンバブエドル
いやそんなバカなメディアとか無いかな(棒)
#いわゆるサイゾー定期


【余談】まさかここからこんな盛り上がりに繋がるとは(笑)


(詳細は此の後のリプライご参照)


あ、それからもう一点!

この作品、とにかく強烈なキャラクターだらけで、ともすると主役が食われる「地味」とすら映る事もあるんですよ(笑)それ故に尚更「適任」と思うわけ、それは「どんなのが出てきても食われない」から(・ω・)木村拓哉を食うって尋常じゃないのそうはおらんやろ?



凛ちゃんは誰が演るんやろか(ポツリ)

まあ30巻に渡る長編だから、大胆な脚色は当然必要になるわな。とは言え、なかば群像劇的なところあるからな、そこんとこ万次と凛に焦点をグッと絞れば、それだけでかなりダウンサイジングされるのも確か(実際劇中で(万次と凛の出逢い以降)月日は大して経過してない)

だかしかし敵方の動機や個性(変態性含)を描くのはとても重要だと思う、いきなり出てきて「うわなんだこの変態(バッサー)」みたいなんじゃ主役二人の修羅道がまるで立ってこないからな(・ω・)「正義は我にあり」みたいな気持ちのいい物語じゃあないから、「気持ち悪」くないと(色んな意味で)

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卍さんシブいよなービミョーな強さだけどカッコいいよなー(笑)…なんて思ってるうちにトシ追い越してたよねー(^ω^)ハッハッハ


『弐』へ続く